ダイヤモンド決算報#食品Photo:PIXTA

コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はJT、明治ホールディングスなどの「食品/嗜好品」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

JT、キッコーマンが
2ケタ増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の食品/嗜好品業界4社。対象期間は21年10~12月の四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・JT
 増収率:11.6%(四半期の売上収益5588億円)
・キッコーマン
 増収率:19.8%(四半期の売上収益1362億円)
・味の素
 増収率:7.2%(四半期の売上高3040億円)
・明治ホールディングス
 増収率:1.2%(四半期の売上高2692億円)

※明治ホールディングスは22年3月期第1四半期より収益認識に関する会計方針の変更を行っているため、前年同期の売上高にも同じ基準を適用した際の増収率を表示している。

 食品/嗜好品業界の4社はいずれも前年同期比で増収だった。食品メーカーでは、昨今の原材料価格の高騰などを背景に、商品の「値上げ」が相次いでいる。こうした値上げは各社の決算にどのような影響をもたらしているのだろうか。

 次ページでは、各社の増収率の時系列推移を紹介するとともに、キッコーマン、味の素、明治ホールディングスが行った値上げとその決算に与えた影響について詳しく解説する。