アシックスがコロナ禍で始めた「オンラインマラソン」の驚くべき盛況ぶりアシックスが主催する「バーチャルマラソン」とはどんなものか

3月6日に開催された「東京マラソン2021」。コロナの影響もあり2年ぶりの開催となる。それと並行して実施されたのが、「バーチャル東京マラソン2022」だ。3月5日までの1ヵ月の間、ランニングアプリを活用したランナーが、世界各国から集い、好きな時間に好きな場所で走る。フルマラソン、ハーフマラソンと種目が分けられており、参加メダルの用意もある。完走者の中から「東京マラソン2023」の出走権が、抽選で100名に付与されるのも嬉しい。コロナの影響で、バーチャルを活用したサービスが認知されつつある。しかしながら、まだ一般化したとは言い難い。今後、オンラインとスポーツはどのように融合していくか。アシックスジャパン パフォーマンスランニング事業部の杉浦大輔氏に現状を聞いた。(取材・文・撮影/編集者・メディアプロデューサー 上沼祐樹)

マラソン大会の続々中止で始まった
「ランニング×オンライン」の試み

 このコロナ禍において、多くのマラソン大会が延期、もしくは中止を余儀なくされてしまいました。ここまで大会が実施されないと、せっかく走ることが習慣になったランナーや自己記録に挑むランナーの皆さんのモチベーション低下は否めません。リアルなイベントが難しいというもどかしさの中、我々に何ができるかと日々考えていました。走ることを楽しんでもらうために、デジタル移行は選択肢の1つでした。試行錯誤した結果、バーチャルレース「ASICS World Ekiden 2021」やオンラインプログラム「ASICS Running Program」の開発・運用を進めることとなりました。

「ASICS World Ekiden 2021」は、42.195kmを6区間(5km3区間、10km2区間、7.195km1区間)に分割した駅伝形式のリレーマラソンで(1チームあたり6人まで登録可能)、昨年11月に第2回を開催しました。ランナーの皆さんには、フィットネス・トラッキングアプリ「ASICS Runkeeper™」で、自身の担当距離を計測してもらい、独自の「デジタルたすき」をつないでゴールを目指してもらうもの。海外からもエントリーできますので、誰もが気軽に参加できるイベントとして展開されました。