仕事や人間関係…しんどいことが多い、という人にぜひ読んでもらいたいのが、「メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術」(わび著)だ。著者のわび氏は元幹部自衛官としてエリート街道をひた走っていたが、上司のパワハラと早朝深夜の激務が重なりメンタルダウン。復職を果たした後、「出世ばかりが人生ではない」「人に認められるためではなく、もっと楽しく生きたい」と思い、転職。現在は外資系企業の社員として活躍している。自衛隊などの社会人経験で身につけた仕事術、メンタルコントロール術についてツイートした内容が人気を集め、Twitterを開始して2年半でフォロワーは13万人を突破、10万超えいいねを連発し、ネットメディアにもたびたび取り上げられている。仕事・人間関係で生き抜く知恵が詰まった本書。今回は、発売を記念して特別に本文より一部抜粋、編集して紹介する。
調子が悪くなると、急に人が寄ってこなくなった
生きていると1度や2度、「この人だけは絶対に裏切らないと思ったのに……」という人に裏切られることはあると思います。
信用していれば信用しているほど、裏切られたときのショックは大きいものです。
そして、信用していた人に裏切られた経験によって、人とかかわるのが嫌になっている人もいるでしょう。
人は100%信じきらないほうがいいです。
こんなことを言うと、冷たい人間のように思われるかもしれません。
でも、完全に同じ価値観の人なんていないし、ほとんどの人は基本的に「自分が一番」なんです。
私の場合、メンタルダウン前とメンタルダウン後では、人間関係が大きく変わりました。
メンタルダウン前、バリバリに働いて同期の序列トップを走っていたときは、本当にいろいろな人が寄ってきました。
多くの上司や先輩から「お前には期待してるぞ」と言われ、同僚や後輩からは相談を持ちかけられ、飲み会にもたくさん誘われました。
しかし、私が激務とパワハラに悩まされ、弱っていくにつれ、次第に周りから人がいなくなりました。
メンタルが限界に近づいたとき、誰かに聞いてほしくて、一番信用していた教官に電話をしましたが、電話に出てくれることもなく、かけ直してもくれませんでした。
メンタルダウン後は、ほとんどの人が近づこうとしてくれませんでした。
調子がいいときにはたくさん人が集まってきます。そして、調子が悪くなると急にいなくなります。
ただ、このことを憂いてもしかたありません。
基本的には人はみな「自分が一番」。他人を100%信用するのは危険なんです。