リクルートが働き方を刷新、「個の尊重」が生き続ける現場の仕組みづくり女性のキャリア開発を支援する取り組み「Career Cafe 28」の様子

1960年の創業以来、「個の尊重」を会社の重要な価値観に据え、様々な事業やサービスを開発してきたリクルート。OpenWorkが実施した『社員が選ぶ「働きがいのある企業ランキング2022」』では3位にランクインした。2021年の組織再編を機に人事制度を刷新するなど、さらに個人の働きがいと働きやすさを追究している。その具体的な施策を聞いた。(取材・文/ライター 奥田由意)

新しい人事制度でも重視される
「人が事業の推進力」の精神

 リクルートは1960年の創業以来、「個の尊重」を会社の重要な価値観として据え続けてきた。まだベンチャー企業もスタートアップという言葉もなかった時代、名もない小さな会社で、大手有名企業のようなレガシーがなく、創業メンバーたちは「価値の源泉は人」という固い信念のもと、まさに人を生かすことを事業の推進力とし、数々のサービスを世に問うてきたのだ。

 そして、その精神は今でも脈々と受け継がれている。リクルートは個の能力をいかんなく発揮するための機会・環境を提供する場であり、社員は個人として、またチームの一員として、自律のうちに進化し続けることが求められている。

 2021年4月にリクルートは関連7社を統合する組織再編を行い、このタイミングで社員約2万人を対象に、新しい働き方を支えるための人事制度の改定を行った。

「人生100年時代、働き方は多様に変化しており、これまで以上に『社会の課題を解決したい』というひとりひとりの思いを実現するため、皆がその能力を最大限発揮できるように、改めて『個の尊重』を起点とした3つの柱で社員の働きがいをサポートしていこうと思った」と、同社執行役員の柏村美生氏は語る。
 
 その3つの柱とは、次のようなものだ。