1960年の創業以来、「個の尊重」を会社の重要な価値観に据え、様々な事業やサービスを開発してきたリクルート。OpenWorkが実施した『社員が選ぶ「働きがいのある企業ランキング2022」』では3位にランクインした。2021年の組織再編を機に人事制度を刷新するなど、さらに個人の働きがいと働きやすさを追究している。その具体的な施策を聞いた。(取材・文/ライター 奥田由意)
新しい人事制度でも重視される
「人が事業の推進力」の精神
リクルートは1960年の創業以来、「個の尊重」を会社の重要な価値観として据え続けてきた。まだベンチャー企業もスタートアップという言葉もなかった時代、名もない小さな会社で、大手有名企業のようなレガシーがなく、創業メンバーたちは「価値の源泉は人」という固い信念のもと、まさに人を生かすことを事業の推進力とし、数々のサービスを世に問うてきたのだ。
そして、その精神は今でも脈々と受け継がれている。リクルートは個の能力をいかんなく発揮するための機会・環境を提供する場であり、社員は個人として、またチームの一員として、自律のうちに進化し続けることが求められている。
2021年4月にリクルートは関連7社を統合する組織再編を行い、このタイミングで社員約2万人を対象に、新しい働き方を支えるための人事制度の改定を行った。
「人生100年時代、働き方は多様に変化しており、これまで以上に『社会の課題を解決したい』というひとりひとりの思いを実現するため、皆がその能力を最大限発揮できるように、改めて『個の尊重』を起点とした3つの柱で社員の働きがいをサポートしていこうと思った」と、同社執行役員の柏村美生氏は語る。
その3つの柱とは、次のようなものだ。