Excelのグラフで「何が言いたいの?」と言われる人に足りないスキルPhoto:PIXTA

日々の仕事で、Excelを利用している人が多いと思う。そして、そのExcelの作業は「データを作って終わり」ではなく、それを加工し、人に伝えるところまでが業務範囲であることが大半だ。ところが、世の中には「何が言いたいの?」と見た人を苦悩させるグラフや表も多い。そこで本記事では、同じ数字を使って仕事の結果が劇的に変わる「データの伝わりやすさを上げるテクニック」を伝授しよう。今回はグラフのテクニックをお届けする。ぜひ「伝わる資料作成」に役立ててほしい。(Excel講師/作家 寺澤伸洋)

グラフが見やすく、伝わりやすくなる
簡単なのに効果的な五つのテクニック

 グラフは、膨大な数字情報を一目でわかるように伝えられる非常に有益なツールである。しかし、作り方によっては相手にメッセージが正しく届かない可能性もある。ここでは相手に伝えたいことを正しく伝えるための「グラフを見やすくするテクニック」を紹介していこう。

(1)伝えたい内容に合うグラフを使おう

 グラフにはさまざまな種類があるが、伝えたい内容と使うグラフにズレがあると、相手にメッセージは正しく伝わらない。以下のように、伝えたい内容に即した適切なグラフを使おう(図1参照)。

棒グラフ:「量の比較」を表すために用いる。その大小にフォーカスした結論を導く。
折れ線グラフ:「複数データがどのように増減したか、その推移」を示すために用いる。その増加/減少の傾向値を把握するのに有効。
円グラフ:「全体(100%)に対して、各項目がどれくらいの割合か」を示すために用い、その内訳を明確にする。

図1 Excelで作成できる主なグラフ

 次ページでは、良い例・悪い例のグラフを見せながら残り4つのテクニックを伝授しよう。見やすさが劇的に改善することがお分かりいただけるはずだ。