チームビルディングの上で有用な
「温泉ワーケーション」

「温泉ワーケーション」がビジネスのエネルギー源に!熱川で効果を実体験熱川プリンスホテルの「おもてなし」

 こういったパフォーマンスの調整はスポーツシーンのみならず、ビジネスの場にも生かされる。リモートワークが普及し、働き方が多様化した昨今。観光庁でもワーケーションやブレジャーなど、仕事と休暇を組み合わせた滞在型旅行を推奨している。マネジメント層にとってワーケーションの導入は、すでに視野に入っていることだろう。

 後藤氏が推奨するONSENWORKは、企業のワーケーションを温泉地で実施するもの。ヨガメニューをはじめ、ウォーキング、体操などの運動プログラムや、栄養を考慮したお弁当が用意されている。リモートワークにより、変わってしまった社員同士の距離感。こういった温泉地で一緒に過ごすことで、普段は見えない人柄が理解できるため、チームビルディングの要素もあるという。

「身体的な変化に加えて精神的な効果も期待できる」

「温泉ワーケーション」がビジネスのエネルギー源に!熱川で効果を実体験ビッグローブで「ONSENWORK」を立ち上げた芳賀康平氏

 こう話すのは、ビッグローブ株式会社でONSENWORKを立ち上げた芳賀康平氏だ。温泉ソムリエの資格を持つ芳賀氏は、ワーケーションを通しての心身の改善を推奨する。いくつかのエビデンスが取れているからだ。

 疫学・公衆衛生学で幅広く使われる健康関連自己評価指標では、ワ―ケーション前後で、健康状態やリフレッシュ、疲れや睡眠の改善などVAS評価12項目について、10項目で改善が認められたという。また、国際的に用いられているPOMSでは、混乱や疲労感は低減し、活気・活力、友好的気分の改善もあったのだ。

「温泉ワーケーション」がビジネスのエネルギー源に!熱川で効果を実体験「温泉ワーケーション」で自律神経バランスが理想的な数値に

 今回、筆者も体験したが、実際に体調の変化を感じた。それはファクトベースでも確認できており、心拍変動に基づく自律神経バランス検査によると、初日には慢性ストレス、疲労状態があったが、3日目は自律神経バランスが理想的な数値に。

 また、動脈硬化の程度を評価する末梢血液循環検査は、血管推定年齢の低下、末梢血管健康度が改善された(初日の血管推定年齢は55歳であったが、実年齢に近い43歳に低下)。体がより柔軟になったことも実感した(前屈が初日に比べて5㎝伸長となった)。

 仕事でも運動でも高いパフォーマンスを発揮したいビジネスパーソンにとって、交感神経・副交感神経を刺激する温泉地での過ごし方は、相性が良いだろう。また、組織を管理するマネジメント層においては、個人ではない利用も選択肢に入りそうだ。働き方改革が始まった今だからこそ、繊細な人間関係にも目を向けなければいけない。

 なによりも古くは文豪たちがこもって執筆を続けた温泉地だ。普段とは異なる地での取り組みが、高いクリエイティビティ発揮に繋がるだろう。