4月18日、衆院決算行政監視委員会で答弁する日銀総裁の黒田東彦(右)。円安が急速に進行する中、日銀の金融政策に変更はあるのか4月18日、衆院決算行政監視委員会で答弁する日銀総裁の黒田東彦(右)。円安が急速に進行する中、日銀の金融政策に変更はあるのか Photo:JIJI

「みんなが『大丈夫か。頼りない顔だな』と言っていたが、やらせてみたらそこそこやる」

 自民党の副総裁、麻生太郎による岸田文雄首相評だ。4月17日の講演で飛び出した麻生らしい相変わらずの上から目線で、岸田を持ち上げた。麻生が口にした「そこそこやる」が具体的に何を指すのかは判然としないが、確かに昨年10月の首相就任から半年を経過しての内閣支持率は「そこそこ」以上の安定感を示す。

 18日付の「朝日新聞」朝刊に掲載された世論調査によると、内閣支持率は55%で前回の3月調査に比べて5ポイント上昇。朝日の調査では政権発足以来最高という。17日に配信された「共同通信」の調査でも内閣支持率は、前月の60.2%から微減はしたものの58.7%。引き続き高い水準を維持した。

 高支持率の要因は両社の調査でも明快だ。共通するのはロシアによるウクライナ侵攻を巡る日本政府の対応について評価が高いことだ。「評価する」が朝日は60%。共同も62.6%でほぼ同程度の支持を得ている。

 日本の外交戦略を描く外務省幹部は「首相の毅然とした対応が国民の支持を得ているのではないか」と語る。中でも分岐点となったのが、ロシア大統領のプーチンへの追加制裁の表明だという。ロシア軍のウクライナ侵攻は2月24日。岸田は3日後の27日に大きく踏み込んだ。ロシアの軍事侵攻を「侵略だ」と明言。その上で「暴挙には高い代償を伴うことを示す」としてプーチン個人に対する制裁に踏み切った。