昔から、大事な勝負のときにはその名前にあやかって「カツ丼」を食べるという人は少なくありません。脳科学者の西剛志氏によれば、このようなゲン担ぎをすることは、一定の効果があるといいます。さらに西氏は、「脳のパフォーマンスは、勝負直前の食事に左右される」と指摘。「カツ丼」よりもおすすめの「新・勝負メシ」があるといいます。西氏の著書『脳科学者が教える集中力と記憶力を上げる低GI食 脳にいい最強の食事術』(アスコム)から一部抜粋・再編集をし、大事な勝負どきのあなたを助けてくれる食事を紹介します。
実力が発揮できないのは
脳のエネルギー不足が原因
大切な会議なのに眠くなる、テスト中に頭がぼーっとする、頑張らなくちゃいけないときなのに、集中力が続かない、いいアイデアが出ない。やる気がないわけではないのに、大事な場面でそのような現象に悩んだことはないでしょうか。
もし大切な場面で自分の能力を十分に発揮したいのであれば、何より脳を快適に活動させることが不可欠です。そして、脳を快適に活動させるための一番の効率的なエネルギーが糖質です。糖質が消化吸収され、ブドウ糖となり、血液によって、脳へと運ばれていきエネルギーとして使われていきます。
しかし、だからといって、糖質を大量にとればいいというわけではありません。糖質をとりすぎると、インスリンが大量に分泌され、ブドウ糖が中性脂肪に変換されて脂肪細胞に急速に取り込まれるため、食後2時間後には低血糖状態となってしまいます。この現象を「血糖値スパイク」といい、これが起きると、脳に運ばれるべきエネルギーが少なくなり、脳がエネルギー不足でうまく動かなくなるのです。
つまり、大切な場面で自分の能力を十分に発揮したいのであれば、この血糖値スパイクが起きないような食事をとり、脳に栄養を与えることが大切です。
それでは、どのような食事をとればいいのでしょうか。私は次の2つの条件を満たすものをおすすめします。