定年退職後の健康保険選びは「究極の選択」、3つのうち自分にお得なのは?Photo:PIXTA

定年退職すると突然、自分で健康保険を選ばなくてはいけなくなる。しかも、選び方によって支払う保険料や受けられる給付の内容が変わる「究極の選択」だ。今回は三つの選択肢の中で自分にとってお得な健康保険を選ぶためのポイントを解説する。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)

定年退職後の健康保険選びで
悩む人は少なくない

 会社員人生では、会社が決めたレールに乗って働くことが原則。ところが定年退職が近づくにつれ、突然多くの「選択」を迫られる。再雇用で働くか否か、勤務形態は週5日のフルタイムとするか、または週3~4日か、退職金の受取方法はどうするのか…などだ。

 会社の説明を受けてから短期間で決めなくてはいけないので、戸惑う人は少なくない。定年まで数年ある人も一定の知識を持っておくと、退職時に慌てなくて済む。今回はそのうちの一つ、「退職後の健康保険」の選択ポイントについて解説しよう。

 定年退職後も再雇用で働く、または転職し社会保険に加入して会社員として働く場合は、これまでと同様に勤務先の健康保険に加入する。「選択」を迫られることはなく、会社が手続きしてくれるので考える必要はない。

 注意したいのは、定年退職以降は働かない、再雇用も終了して完全リタイアする、またはフリーランスとして働く場合だ。その際には、次の三つの選択肢がある。

(1)退職前の健康保険の任意継続被保険者となる
(2)居住する自治体の国民健康保険に加入する
(3)家族の健康保険の被扶養者となる

 選択ポイントは、「支払う保険料の額」と、「受けられる給付の内容」だ。さっそく見てみよう。