ロシアの同盟国ベラルーシの大統領も
「こんなに長引くとは…」

 準備不足が指摘されたロシア軍には指揮系統の乱れや兵士の士気低下も目立ち、ウクライナの激しい抵抗で苦戦が続いている。ロシア軍が軍事拠点の重点を置く東部の戦況は一進一退となっているものの、反撃するウクライナ軍は5月10日に東部ハリコフ州の4集落を奪還し、ロシア軍を国境付近にまで撤退させたと発表した。

 ロシアの同盟国ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は5月5日のAP通信のインタビューで「正直、こんなにも長引くとは思っていなかった」と述べており、想定以上の押し返しにあっているのは明らかだ。

 プーチン大統領は、第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利したことを祝う5月9日の戦勝記念日に「ロシアは敵対行為に先手を打った。やらなければならない正しい決定だった」とウクライナ侵攻を正当化した。ただ、大々的に戦果を誇ることはできず、国際社会から孤立する姿を世界中に発信しただけといえる。

 ウクライナを支援する英国防省は、長期戦突入によってロシア軍の精密誘導兵器が枯渇状態にあるなど「著しく弱っている」と分析。ベン・ウォレス英国防相は5月9日、「プーチン大統領に『勝利の日』はあり得ない。不名誉と敗北があるだけだ」と語った。

親ロシアの中国でも衝撃発言
「ロシアの敗北は時間の問題」

 ロシアと友好的な中国でも衝撃発言が飛び出した。2005〜07年まで中国の駐ウクライナ大使を務めたという高玉生氏が、政府系研究機関のシンポジウムで「ロシアの敗北は時間の問題だ」と発言したと報じられる。