「ダイソーさんとフリュー『ガールズトレンド研究所』がコラボした雑貨は好評で、飛ぶように売れました。気をつけたのはデザイン性と世界観の統一です。例えば、ホームパーティーグッズであれば、全商品を集めたくなるようなデザインにし、他の普通の紙コップなどが入る余地のないような統一された世界観にしました。そうすると、お店でも棚に陳列したときにかわいく見えるので、購入のきっかけにもなります。もちろん、写真に撮って映えることも不可欠な要素です」

 ガールズトレンド研究所はダイソーの他にもニチバン、浅草花やしきなどとコラボ実績がある。

流行の終わりを
見極める2つの兆候

 稲垣氏よると、これまで述べてきたことは「女性だけではなく男性を含めた商品開発にも生かせる」という。

「『カワイイ』は女性だけの価値観ではなくなっています。メンズコスメなどの流行からもわかるように、若い世代のトレンドや好みは男女の差分がなくなってきています。ちなみに、弊社のプリントシール機でも以前より男性同士で利用するケースは増えていると感じます。特徴的なのは、ナチュラルに盛れる機種を選んでいるということで、男性の中にも自分がなりたい『カワイイ』があることがわかります」

 最後に稲垣氏は、流行の終わりの見極め方を教えてくれた。

「メインユーザーから一番遠い層にも知られ、彼らが参入し始めたら流行は終了するといわれます。つまり、若い女性たちの流行の場合は、おじさん(中年男性)が参入してきたときが終了のサインと言えます。実際、タピオカブームは大人が飲み始めたら、流行としては頭打ちとなった印象です」

 また、テレビに取り上げられる場合も同様だという。視聴者層やテレビの特質上、仕方のないことだが、「テレビで取り上げられたときには、すでにSNS上のブームは全盛をすぎている場合が多い」(稲垣氏)のだ。

「このように若い女性が集まる場所やSNSを常に調査して流行を把握すること、直接の接点を持ちヒアリングを続け女の子の行動原理を理解することの2つができれば、『カワイイ』商品の開発はしやすくなるはずです」

 カワイイの理解と研究が、新たなヒット商品誕生につながるのだ。