ウクライナ危機が後押し?
一転して今国会提出へ
住宅や建築物の脱炭素化を進める「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案」が4月22日、閣議決定された。
いったんは、省エネ適合基準などの対象拡大に対する建築業界の反対から今国会への提出は見送られると報じられたが、その後、国交省は一転して、法案提出に踏み切った。
ウクライナ戦争を機にしたエネルギー価格の急騰や化石燃料などの供給不安が後押しすることになったといわれる。
だが法案提出までのどたばたを考えると、住宅の脱炭素化実現の課題は少なくない。
すべての新築住宅・建築に
省エネ基準適合を義務付け
法案の目的は、日本の温室効果ガス排出総量の約3割(ただし間接排出換算。直接排出換算だと約1割)を占める家庭・業務部門の温室効果ガス排出を削減するため、住宅・建築物の脱炭素化を進めることだ。
住宅・建築物の脱炭素化には、家電製品や照明・暖房設備の「省エネ」を進めると同時に、その「断熱」を強化しなければならない。それでもなお、使用しなければならない電力については、「創エネ」、つまり再生可能エネルギーなどで賄う必要がある。