ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2月24日にウクライナへ侵攻したことを受け、世界経済フォーラム(WEF)主催者は今年の年次総会(ダボス会議)にロシア人を招待しなかった。ロシア不在となった今年の会議は象徴性に満ちたものとなっている。ロシアは30年にわたりダボス会議に参加していたが、大国同士の対立再燃や世界のサプライチェーン(供給網)の分断化に直面し、グローバリゼーションや経済統合を掲げる同イベントは根底から崩れつつある。著名投資家のジョージ・ソロス氏は24日、「戦いはいずれ終わるに違いないが、そうなった後も元の状況に戻ることは永遠にないだろう」とダボスで述べた。ソ連が30年前に崩壊して以降、欧米政府は防衛体制を緩め、その分のリソースを「平和の配当」として社会やその他のプログラムに向けていた。だが現在は軍事費の増額傾向が見られる。
ロシア不在のダボス会議、グローバリゼーションの理念崩壊
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