ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して以降、世界各国で食料の輸出規制を導入する動きが広がってきた。食料不足に拍車がかかり、食料価格がさらに高騰する恐れがあるとの指摘がエコノミストから出ている。ほぼすべての大陸において、小麦、トウモロコシ、食用油、豆類、砂糖などに新たな輸出規制や禁輸措置が導入された。レバノンではアイスクリームやビールですら輸出が禁じられている。足元で広がる輸出規制は自由貿易のさらなる後退を意味する。近年では、米国と中国が関税や規制措置を巡って応酬を繰り広げたほか、新型コロナウイルス禍では医療機器やワクチンの確保を急ぐ各国が奪い合う構図に陥るなど、国際貿易は大きく落ち込んだ。各国政府にとって食料輸出規制は、物価高騰に対する国民の怒りを和らげ、国内供給を確保する手だてとなる。ロシアのウクライナ侵攻で食料供給に支障が生じ、コモディティー(商品)価格が全般的に高騰したことで、こうした傾向が強まった。ロシアとウクライナは、いずれも穀物と植物油の主要輸出国だ。
世界で輸出規制広がる 食料高騰に拍車も
ウクライナ侵攻以降、小麦・トウモロコシ・食用油などを規制する国が続出
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