東京海上日動Photo by Yasuo Katatae

損害保険業界の盟主、東京海上日動火災保険で、人事制度の改定に向けた議論が本格化している。前回の人事制度改定は6年前。今回の制度改定の議論は、どのような方向性にあるのか。またどのような狙いがあるのだろうか。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

「人事制度専門部会」が始動
23年度にも大規模な改定実施か

 東京海上日動火災保険が、人事制度改定へ本格的に動き出している。

 東京海上日動では、人事制度の改定を行う場合には、人事企画部の非組合員と労働組合幹部が参加する「人事制度専門部会」が設置されることになっている。位置付けは、労使協議の前の事前協議であり、双方の目線合わせが目的だ。2016年4月に行われた改定の際にも、専門部会での議論を経た上で労使協議が行われ、改定に至った。

 その専門部会が21年6月から既に5回開催され、制度のあり方について突っ込んだ議論が行われていることが分かった。

 専門部会の立ち上げは人事企画部側の要望で、組合側がそれに応じたという格好。人事企画部の担当者は、「現時点で決まったことはないが、前回の改定から仕事内容にも変化が見られるため、今の時代に即した制度に見直すための議論をしている」と話す。

 ただし、双方がテーブルに着いていることから、「何らかの改定があることは想定している」(東京海上日動関係者)状況だ。今後、複数回の議論を経て意見を取りまとめ、16年と同程度の、大規模な人事制度改定が行われる可能性が高い。16年の改定の際は、専門部会は複数回開催され、2~3年の時間をかけており、そこから考えれば今回の制度改定は23年度以降に実施されることになりそうだ。

 では、議論の方向性は現時点でどのような状況なのか。また会社側の狙いは何か。