上海から離れる人たちが続出
上海はその他都市に完敗

 このように減給とリストラの脅威にさらされている若い社員らが、生活費が高い上海などの大都市を脱出するケースも増えた。

 中国メディアによると、5月16日、上海のロックダウンが一部解除された初日、上海を脱出した人の数は約7000人だった。その後も、毎日1万人ぐらいが上海脱出の道を選んだ。今のところ、上海を出て、広州、合肥、武漢などに向かった人が多いようだ。

 合肥の主要幹部は、「上海から脱出してきた人は大事なお客さん」と話し、家族同然だと上海脱出組を持ち上げる。合肥は心から歓迎し、決して門前払いはしないと言って、「上海脱出組」を積極的に受け入れた。

 武漢も魅力的な隔離政策を打ち出して、上海の脱出組を受け入れる。たとえば、「隔離期間中の関連費用は一切、無料」などと宣伝して、上海からの脱出組の人々の目を同市に向けようと必死にアピールした。

 上海から脱出した人たちは、地方都市から見れば、逃してはならない貴重な人材だ。だから、彼らはたちまち、主要都市で展開される熾烈(しれつ)な人材争奪戦の対象となった。経済発展や人材誘致などにおいて、ずっと優位な地位に立っていた上海だったが、ロックダウンを機に、完敗した。