米国がインフレ抑制に向けて急ピッチで利上げを進め、中国では景気が減速する中、アジア通貨は下落圧力の高まりに直面している。アジア諸国の政府は厳しい選択を迫られるかもしれない。米連邦準備制度理事会(FRB)は15日、政策金利を0.75ポイント引き上げた。利上げ幅は30年近くぶりの大きさだった。米国の金融引き締めを背景に、ドルは今年に入り大幅に上昇している。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ドル指数の年初来の上昇率は約9%に達し、2002年以来の高水準にある。一方、アジアの二大経済大国である中国と日本は、金融引き締めの世界的な潮流に逆らっている。国内のインフレ圧力が抑制されているためだ。ドルに対して円は年初から約14%下落し、人民元は約5%下落している。