林真理子氏が理事長に就任
「日大は変わる」イメージは広がったが…
日本大学の「改革」が具体的に動き出した。
学長選挙で、元総長の酒井健夫氏が選ばれ、理事長には作家で日大芸術学部出身の林真理子氏が決まった。この「二重構造」をどう読み解けばいいのか? 一体、日大内部でどんな力の渦が作用しているのか、現状を知りたくて取材を進めた。
田中英寿氏が理事長になった時に総長だった酒井氏の学長選出は、「日大を変えない」とする守旧派の強い結束の表れだとみられている。
一方、これまで田中氏や田中派の面々と深い親交があったとは思われない林氏の理事長就任は、学内外からおおむね歓迎されている。
果たして林新理事長は、世間が漠然と望んでいるような改革を進めてくれるのか。あるいは守旧派の抵抗にはねつけられ、結局は暗礁に乗り上げてしまうのか。
「林さんが理事長に選ばれたことで、日大は変わるぞ、というイメージが広がったと思います。世間も林さんなら改革を進めるだろうと、日大を見る目が変化した感じがします」
日大の教員の一人が言う。林氏の経営手腕は未知数で、本当に改革できるのか、どこまで本気でやってくれるのか、不安はあるものの、今のところ林新理事長就任に異論を唱える声はほとんどない。「だが」と、この教員が指摘する。