ボタニックプラスの特長は、「天然由来成分でありながら、ケミカル成分と同等もしくはそれ以上に効き目が強い」ことでした。天然由来であることを前面に打ち出したばかりに、「効き目が弱そう」という印象を持たれてしまいましたが、実際は機能面でも十分に勝てる商品です。
このようなケースでは、まずは機能面の強みをしっかりと打ち出したうえで、差別化要素としてボタニカル成分であることも伝えていくのが良いでしょう。「ウイルスをしっかり除去してくれて、さらにボタニカルで肌にやさしい成分なのだ」と思ってもらえるのが理想的です。
ちなみに、ボタニカルや自然派を訴求することが常に悪いわけではありません。それらに対する強いニーズは一定数あります。例えばターゲットを絞ってSNSで宣伝するなど、ボタニカルを前面に打ち出す戦略が成功する可能性は、除菌スプレーであっても十分にあるでしょう。今回は、ホームセンターが戦いの場という設定のもと、このような回答例にしています。
◆本コラムの作者・乙幡満男氏の新刊が発売中！
『ブランディングが9割《ケーススタディ篇》』 乙幡満男著 青春出版社刊 1474円（税込）
「“ブランディングが大事”とわかっていても、現実的なイメージが湧かない」「実際には上手くいかない」ということはありませんか。本書では様々な会社が直面しやすい問題について、ブランディングとマーケティングの見地から、解決法をQ＆A形式で紹介。「自社の強みを押し出したのに売れない」「手強い競合への対抗策が思い浮かばない」「先細りの業種でどう付加価値を見つけるか」など状況別に、考え方のポイントや起こすべき行動を解説します。自分ならどう対処するか？と考えながら読むことで、ブランド作りの極意を楽しみながら掴めます。ビジネスパーソンの教養本としても、おすすめの1冊。
