年金の期日内届出は事実上ムリ
相続手続きでは戸籍をたどる必要も
年金や介護保険、後期高齢者医療制度などの公的サービスでは、死亡後10日以内、2週間以内といった短期間での手続きが必要とされているものも結構あります。
年金の場合、未受給分の年金や遺族年金を遺族が受け取るためには、厚生年金では死亡後10日以内、国民年金では2週間以内に届け出て、年金の受給停止手続きを行う必要があると日本年金機構のサイトには書かれています。死亡した事実を届け出ずに年金をもらい続けると罰金を科せられたり、詐欺罪となったりする可能性もあります。そこで「早く手続きを進めたいのですが、締切があるのですよね」と年金事務所へ電話して尋ねてみることにしました。
すると担当の方から大変親切に手続きのやり方を教えてもらった後、「実際問題、必要な書類を全て期限内に用意することは難しいと思うので、ゆっくりでも結構です」と告げられて、多少拍子抜けしました。それならば「10日以内」「2週間以内」などと期日をサイトに書かなければいいのに、と思ったものです。
また、相続手続きにあたって法定相続人を確認するためには、母が生まれてから死ぬまでの戸籍をさかのぼって確かめる必要がありました。金融機関への遺産の確認や、遺産相続手続きでは少なくとも数カ月は猶予があるので、それほど急ぐ必要はありませんが、それでもかなり面倒な手続きが待っています。
戸籍は、1994年(平成6年)の戸籍法改正により電算化が始まりました。電算化を進めるかどうかは各自治体が決定するのですが、平成の時代には全国の多くの自治体で電算化が進み、最後に残った東京都御蔵島村でも2020年9月に電算化が完了しています。
今の電算化された戸籍になる前の戸籍として紙のものも残っていて、これを改製原戸籍(略して原戸籍ともいう)といいます。私の場合は、最後に母の本籍地があったところから、結婚する前の本籍地、さらにその前の本籍地へと、この原戸籍をたどっていく必要がありました。