50歳時の未婚率は、15年の国勢調査で男性が23.4%、女性が14.1%。これまでの未婚化、晩婚化の流れが変わらなければ、30年には男性が28.0%、女性は18.5%に達すると予測されている。50歳代の未婚シングルは10年ほどで、おひとりさまの仲間入りとなる。

 今の高齢者はきょうだいのいる人が多いが、50~60代はひとりっ子も少なくない。家族や親族に頼れないおひとりさまが、急速に増えることになる。

 当然のことながら、婚姻件数も減少。1970年代前半は100万件を超えていたが、19年には約60万件に減っている。離婚件数も02年の約29万件から減ってはいるが、まだ21万件もある。

 死亡者数も増加傾向で、19年は138万人。40年には推計で168万人に及ぶとみられている。

「仲むつまじい夫婦ほど実は危ない」
おひとりさま「予備軍」は約700万人

 配偶者との死別も、おひとりさま急増の大きな要因だ。高齢者の核家族化が進み、子どもがいても、そのままひとりで暮らす高齢者が多いからだ。

 国民生活基礎調査によれば、65歳以上の夫婦のみの世帯は693万世帯。「おひとりさま予備軍」ともいえる「おふたりさま」は、おひとりさまと同じくらいのボリュームがある。

「高齢のご夫婦は、熟年離婚の危機にある人たちより、共通の趣味を持ち、むつまじく暮らしている人たちの方が実は危ない。どちらかが倒れると、生活が一変してしまうからです」と、前出の小谷氏は指摘する。

 小谷氏自身、11年に夫を突然亡くしている。講師をしている立教セカンドステージ大学の受講生を対象に、配偶者を亡くして独り身になった人たち約40人で「没イチの会」も結成して活動している。

「夫婦のうちにやっておく終活があります。別々の趣味を持つ、フルでなくていいから仕事をする、同じ価値観を持つ人とつながりを持つなどして、それぞれの活動領域をつくっておくことです。特に、家のことを妻任せにしていた男性ほど、ひとりになると気力をなくして何もできなくなる」

 突然、連れ合いに先立たれ、これまでの日常が崩れる。一緒に死ぬことは普通はできないから、その日は必ずやって来る。多くの高齢者がひとりで生きることを余儀なくされ、「ひとり死」が当たり前の社会になる。