愛知県など中部エリアのトップに君臨する名古屋大学。その名大は2022年入試において、旧帝大の中で最も志願者を減らしてしまった。さらに名大では、就職事情にも異変が起きているという。一方、中部エリアの医学部受験では“序列劇変”ともいえる動きが起きている。今、中部エリアの大学で何が起きているのか。特集『大学2022 劇変の序列・入試・就職』(全24回)の#7では、三大都市圏の一角で起きている大学の「異変」の実態を探った。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
名古屋大「志願者激減」で激震!
旧帝大で名大“独り負け”の理由とは?
中部エリアの大学の頂点に君臨する名古屋大学に異変が起きた。名大の志願者数が、昨年に比べて大きく減少したのだ。
下図のように、難関国立大学の中で志願者数を大きく減らしたのは名大だけだ。なぜ名大が“独り負け”になったのだろうか。
さらに名大では、入試だけでなく就職戦線の方も“異状あり”のようだ。次ページで詳しく見るが、「名大に入り、卒業後はトヨタ自動車など地元の有名企業に就職して、地元で暮らす」という、かつての愛知県人「勝利の方程式」は、今や崩れつつある。
中部エリアの異変はそれだけではない。愛知県では、公立大学や私立大学がはやりのデータサイエンス学部(学科)を新設するなど、学生を集めようとしのぎを削っている。そんな中、愛知の主要私立大グループ、「南愛名中」(南山大学、愛知大学、名城大学、中京大学)や名門女子大グループの「SSK」(椙山女学園大学、愛知淑徳大学、金城学院大学)の間でも、人気に優勝劣敗が出てきている。
片や、人気の医学部入試では、入試における大学序列が、東海エリアの広域にわたり県境をまたいで一変する可能性が取り沙汰される。
次ページでは、中部エリアの大学で起きている「序列劇変」の実態をリポート。来る23年入試の行方を占う。