わが子に最強の中高一貫校&小学校&塾#13Photo:Diamond

トヨタ自動車などが巨額の寄付金を投入して2006年に設立された海陽中等教育学校。英イートン校のような「エリート養成校」を目指すはずが、近年の志願者数は下降の一途。ところが、2022年入試では8年ぶりに増加。特集『わが子に最強の中高一貫校&小学校&塾』(全26回)の#13では、その理由と東海エリアの中学受験の最前線について、入りやすいがその後伸びるレバレッジ度ランキング【東海・その他エリア版】と共にお届けする。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋、同部 宮原啓彰、加藤桃子)

「公立高校王国」で始まった
私立中高一貫校の下克上!

 東海地方3県、特に愛知県は旭丘、岡崎、一宮といった公立高校が強い「公立高校王国」として知られている。

 しかし、近年は私立中高一貫校の伸びが著しい。少子化のあおりで小学6年生の人数は減り続けているが、逆に私立中学受験者は右肩上がりだ。2022年入試における愛知県の私立中学の受験者数(延べ数。以下同)は、前年から何と2.4%増となる1万3262人に伸びた。

「愛知県の受験者数は7年連続で伸び続けており、受験率で言えば県全体で7%弱と推測、名古屋市に限定すると10%を超えるエリアもある。首都圏や関西と同じく、コロナ禍によって私立教育の優位性が再認識されたことのみならず、東海地方特有の理由もある」と、日能研東海企画情報部の藤原康弘氏は指摘する。「一昔前と比べて親の公立志向が薄れたことや、私立の学費が首都圏などと比べておよそ3分の2とリーズナブルなことも影響している」(同)。

 そして、共学男女別で見ると、東海地方の特徴がより見えてくる。目下の志願者数の伸びの要因は、女子校のけん引によるところが大だ。また「愛知難関私学御三家」の東海(男子)、滝(共学)、南山(男子部、女子部)の3校で明暗が大きく分かれるなど、22年入試では“波乱”も起きている。

 次ページでは、名古屋の女子御三家「SSK(椙山女学園、愛知淑徳、金城学院)」の優勝劣敗など、主要私立校の22年入試の動向を詳しく見る。さらに、長期低迷が指摘されていたトヨタ自動車肝いりの海陽が8年ぶりに主要校で最も志願者数を増やすという謎の復活理由を探る。

 その上で、偏差値は入りやすいのに大学受験に強いという“レバレッジ”が利く、お得な中高一貫校が見つかる、「お得な中高一貫校」ランキング【東海・その他エリア】2023入試版】を掲載しよう。