大学2022_劇変の序列・入試・就職#6Photo:PIXTA

大学受験で現役志向が高まる昨今、第1志望ではない大学に不本意ながら通う学生が増えている。だが、大学入試の結果だけで卒業大学まで決めるのはもったいない。大学入試では手が届かなかった難関大学でも「編入」試験には“穴場”があるからだ。特集『大学2022 劇変の序列・入試・就職』(全24回)の#6では、そんなお得に一発逆転できる有名大学「編入穴場」リストを一挙紹介する。本を数冊読んだり、面接のみだったり、一般入試に比べれば楽ちんに編入できる名門大学があるのだ。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

読書と面接だけで難関大に編入!
旧帝大&上智、同志社など15大学に穴場!

 志望大学への入り方は、何も一般選抜入試や総合型選抜入試などを突破する“直線ルート”だけではない。たとえ受験に失敗して不本意な大学に入ったとしても、編入試験で一発逆転することができる。

 大学編入試験対策の草分けで、『まるわかり!大学編入データブック』(オクムラ書店)を刊行する大学受験予備校の中央ゼミナール。その講師を務める赤田達也氏は、「大学受験で現役志向が高まる中、第1志望ではない大学に入ったことを後悔し、編入を目指す学生が年々増えている」と指摘する。中堅以下の大学から難関大学を目指すケースが多いという。

 実際、編入にはさまざまなメリットがあり、入学した大学に嫌々ながら通うぐらいなら、一念発起するのは十分に価値がある。

 まず、元の大学の在籍期間と合わせて4年間で卒業できるため、受験浪人と比べると時間的、金銭的なロスが少ないこと。次に、特に国公立大学への編入試験に当てはまるが、一般選抜に比べて課せられる科目数が少ないため、短期間の受験勉強でも難関大学を目指しやすいこと。

 実際、編入試験の主流は、国公立大、私立大学共に「英語」と「小論文(専門科目)」、そして「面接」の3科目だ。しかも、自分が興味のある学問を専門科目試験に生かせるため、受験勉強が苦行になりにくいことも利点だ。

 もちろん難関大学の編入試験では、高い専門知識と英語力が求められがちだが、それでも一般選抜で同じ大学に入るよりも、格段に難易度が下がるというのが、編入試験対策に強い各予備校関係者の一致した意見だ。加えて、国公立大でも編入試験日が異なるので、効率の良い併願作戦を立てれば何校も受けることができるのだ。

 そして、編入によって満足のいく環境で勉学に励めるようになるのみならず、難関大学に編入できれば“出口”である就職でも有利に働く。編入生だからといって「就職活動で差別されることはほとんどない」(赤田氏)からだ。

 ただし、注意したいのは、全ての大学が編入試験を実施しているわけではなく、実施している大学でも一部の学部のみだったり、毎年実施していなかったりする点だ。

 次ページでは、経済学部を例に専門性を生かして難関国立大への編入を目指す人向けと、より挑戦しやすいリベラルアーツで難関国立大を目指す人向けの、それぞれの理想的な併願校リストを掲載。

 さらには、赤田氏の協力の下、旧帝国大学や神戸大学など難関国立大と、上智大学や同志社大学など難関私立大の編入試験において、知る人ぞ知る“穴場”となっている全国15大学の学部(学科)リストを作成した。中には面接だけや本数冊をマスターするだけで合格が狙えるお得な難関大もある。編入を目指す人には必見のリストだ。