大学2022_劇変の序列・入試・就職#11Photo:PIXTA

志願者の減少が続いている女子大学。だが、生き残りを懸けた大改革で教育内容が一昔前と一変、復活の兆しが見えている。入りやすいのに、就職、資格取得に有利な女子大は今こそ、おトクなのだ。特集『大学2022 劇変の序列・入試・就職』(全24回)の#11では、地盤沈下がささやかれる中で見過ごされやすいおトクな女子大について見ていこう。(教育ジャーナリスト 庄村敦子)

「女子大=地盤沈下」ではない!
大改革で就職力が急激に上昇

 ここ数年、女子大学の志願者数が激減している。駿台予備学校の調べによると、私立女子大の2019年入試の志願者数は、68大学合計で約21万人だったが、22年入試では71大学合計で約14万人だった。偏差値でも、私立女子大御三家の一つ、津田塾大学はかつて首都圏私立大学のトップ「早慶上智」と変わらないイメージを持たれていたが、昨今はそこまでのインパクトは感じられない。

 少子化で受験人口が減り続け、どの大学も厳しい状況に置かれているが、「女子」に学生を限定している女子大は今後も苦戦を強いられるだろう。

 だが、以前から女子大は就職の強さに定評があり、大学全体の就職率と女子大の就職率を比べると、女子大の方がいいのは今も変わらない。しかも、これまで女子大は人文系、家政系、幼児・児童教育の学部が多いイメージだったが、近年はビジネス、工学系など、一般企業からのニーズが高い学部に力を入れるところが増えてきている。しかもここ数年の入試では就職に強い「手に職」系の学部が人気だが、女子大は資格取得にも強い。

 中には新設の工学部で1期目の卒業生が出るのを待たずに企業から大人気で、「就職の心配はまったくしていない」と担当者が明かす女子大すらある。また、超おトクに留学できるようになったことで就職に強い女子大も。

 以前より志願者数が減っているのに、就職にも資格にも強い。生き残りが厳しい分、特に、伝統校で改革が進み、大学の質も変わってきている。実は今の女子大は相当おトク感があるのだ。

 受験生の親世代が抱くイメージとはガラリと変わっている、今の女子大の実態を詳しく見ていこう。