「高校生への投資教育」に違和感、わが子の金銭感覚を守る“より大事な教え”とは写真はイメージです Photo:PIXTA

4月から新しい学習指導要領に基づいて、高校生への金融教育が始まった。「投資」も授業範囲の対象だ。しかし私は、積極的にやるべきだとは考えていない。その理由をお伝えしよう。(経済コラムニスト 大江英樹)

高校生への金融教育がスタート
投資教育に違和感

 今年の4月から新しい指導要領に基づいた高校家庭科の授業の中で、高校生への金融教育の授業が始まった。金融に関する知識を教えるというのは悪いことではないが、さりとて多くの識者が言うように積極的にやるべきだと筆者は考えていない。その理由はいくつかある。

 まず、そもそも何を教えるのか?ということだが、これは文部科学省が平成30年7月に告示した「高等学校学習指導要領」を見ると、以下のように記載されている。

 いずれももっともなことばかりで、別に間違ったことは何も書いていない。ただ、これを一体誰が教えるのか?という点、そしてこれらについて高校生のうちにどれぐらい教えておくべきかということについては、いくつもの疑問がある。

 次ページでは、「投資教育」に覚える違和感と、わが子の金銭感覚をゆがませないために教えるべき三つのことについて、解説しよう。