生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
感情の高ぶりに任せたケンカ
仕事でもプライベートでも、ケンカをすることはないでしょうか? ケンカといっても殴り合いのことではなありません。
建設的であるべき話し合いが言い争いに発展したり、自分に対する言動に納得がいかず、強い口調で反応したり。ふり返ってみると、いくつか身に覚えがあるはずです。
そうしたとき、だいたいは感情的に高ぶっています。勢いに任せて「それはおかしいだろう!」「なにをいってるんだ!」なんて、声を荒らげたりして、まわりが見えなくなったりしたこともあるのではないでしょうか。
すぐに反応せず、自分を分析してみる
そうしたときに「冷静になる」といっても、なかなか難しいことです。ただ、感情的になったときに、「いったんやめる」という行為はできるはず。怒りの感情が湧いたときは、すぐに反応せず、いったんやめて、その場を離れてみるのです。
そして、時間をおいてから、話すようにするということです。
まずは「なんで怒りの感情が湧いてきたのか」を自分なりに考えてみましょう。そして怒りの矛先になっている相手と喧嘩するとして、「落とし所」、つまり自分が納得するケンカの終着点も考えてみるのです。
「得られること」「失うこと」を秤にかける
自分が納得する終着点に向けて、いまから喧嘩をすると考えれば、「得られるかもしれないこと」と「失うかもしれないこと」が、なんとなく見えてくるはず。
たとえば、得られるかもしれないことは「相手の謝罪」、失うかもしれないことは「相手との人間関係」です。少なくとも相手との人間関係は、「これまで通りにはいかないだろう」というのは当然あるわけです。
そういうふうに考えて比較しながら、それでもケンカをしたほうが得られることが大きいと思ったら、納得のうえで終着点に向かってケンカに挑んだらいいでしょう。
エネルギーを消耗しない道を選ぶ
ケンカをしても得られることが少ないのであれば、もうなにもいわずに「その相手と関わるのをやめる」という選択肢だって考えられます。納得がいかずにモヤモヤした感情は残るかもしれませんが、きちんと考えたのであれば、けっこう納得のできることです。
感情に任せてケンカをすると、たとえその場ではスッキリしたとしても、その代償として大切な相手との人間関係や信頼関係が崩れて、結局は後悔することが多いです。
その後も気になって、延々と精神的なエネルギーを奪われ、仕事もプライベートも調子を崩すなんてことにもなりかねないのです。
人生は楽しいことにエネルギーを注ぐべき
喧嘩をするなら、事前に計算したうえでやるべき。自分を無意味に疲れさせる感情に任せた喧嘩は、やめておきましょう。
人生は限られているのですから、ムダなことにエネルギーを費やすよりも、なるべく自分の好きなこと、楽しいことにエネルギーを注ぐということを大前提にしてみてはどうでしょうか。
※『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)には、不安や悩みを解消するヒントが満載です。