「つい本音を話してしまう」環境づくり
明日からできる3つのポイント

――カジサックチャンネルを拝見していて思ったのですが、ゲストの方との対談企画、本当に見応えがありますよね。自然と相手が心を開き、思わぬ言葉が出てきたりして、それがすごく面白い。視聴者の方からの「話を聞くのが上手」というコメントも、多く見かけました。

カジサック:YouTubeに参入したばかりの頃は、「え、梶原ってこんなにおもしろかったん!?」みたいなコメントがやたら多かったですね(笑)。ボクはもともと、人の話をじっくり聞きたいタイプだったので、ひな壇番組がすごく苦手だった。30分じっくりツーショットで話せるYouTubeが、性に合っていたのだと思います。

【カジサックが明かす】初対面でもつい心を開いてしまう「3つの聞き方」

――仕事でもプライベートでも、「会話が苦手」という人は多いと思います。とくに仕事などでは、初対面の人と話さなければならないことも多い。営業職で、相手のニーズや本音を引き出さなければならないのに、心を開いてもらえない──。そんな悩みは、どうやって解決すればいいでしょうか。

カジサック:もちろんしゃべる能力は大事ですけど、何よりもいちばんは、当たり前かもしれないですけど、相手をリスペクトすることですね。相手に興味を持つこといかにその時間、その瞬間、その人を世界一愛せるか。ボクはツーショットトークは、つねにその気持ちでやっています。そのリスペクトがベースにあると、相手に聞きたいことが必ず出てくる。

これが基本のスタンスで、より具体的に意識しているのは、

「聞く」
「笑う」
「聴く」

という、この3つ。

【カジサックが明かす】初対面でもつい心を開いてしまう「3つの聞き方」

――「聞く」「笑う」「聴く」ですか。

カジサック:まず、「聞く」──問いかける。相手に興味を持ち、「どうしてそういう考え方なんだろう?」「どんな気持ちなんだろう?」と、たずねる。

相手が少し心を開いてくれたら、次は「笑う」。「この人に話していると楽しいな」と思ってもらわないとコミュニケーションにならないので、笑顔は絶対に欠かさない。

そして最後に、「聴く」。ちゃんとその人の話に耳を傾ける。これまで芸人やってきて、本当にいろいろな人と絡んできましたけど、コミュニケーション苦手な人って、圧倒的に話聞かないんですよ。自分の話ばっかりしちゃったり。

――言われてみれば……。営業職や、表に出る仕事だと、プレゼン能力ばかり磨こうとしてしまいがちですが、「聞く」「笑う」「聴く」の基本ができていないから結果が出ていない、という人は多いのかもしれませんね。

カジサック:めちゃくちゃ単純なことなんですけどね。でも、そこの気遣いができない人は案外いるので、逆に、ここを意識できると、差がつくかもしれませんね。

――本の中ではお子さんたちへの伝え方についても丁寧に書かれていて、それもとても参考になりました。

カジサック:大人への伝え方も、子どもへの伝え方も、基本的には同じだと思います。ボクも、ヨメサックと5人の子どもたちを、父親として守らなければならない。そしてそれは、チーム「カジサック」のメンバーも同じです。正直な話をすれば、社員とのコミュニケーションの方が難しいですけどね。言い合いになってしまうこともあるし、どうしても思いが伝わらないこともある。それでも、「聞く」「笑う」「聴く」、この3つの軸だけは忘れずに、常に感謝とリスペクトの気持ちを持って、向き合っていきたいなと思います。

せっかく芸能界で自分を出せなかった経験があるので(笑)、「全員おいしくする」「一人も嫌な思いをさせない」という気概をもって、頑張っていきたいなと思いますね。

ボクは、家族ができたことによって、守るものができたことによって、いろんな道が開けた。家族や周りの人たちには、本当に感謝しています。

【大好評連載】
第1回 「いくら努力しても報われない環境」から抜け出すたった一つの方法

梶原雄太(カジサック)
【カジサックが明かす】初対面でもつい心を開いてしまう「3つの聞き方」

1980年大阪府岸和田市生まれ。漫才コンビ・キングコングのボケ担当。相方は西野亮廣。吉本興業所属。
「カジサック」として2018年10月1日Youtuberデビュー。
カジサックの部屋に様々なジャンルのゲストの方を招きながら、バラエティに富んだ動画を配信している。登録者は200万人を超える人気YouTuber。
【カジサックが明かす】初対面でもつい心を開いてしまう「3つの聞き方」