「nodoca」(ノドカ) Photo:Aillis喉を診る専用の視診器に診断支援AIを組み合わせた「nodoca」(ノドカ) Photo:Aillis

コロナ禍の2020年以来日本では激減していたインフルエンザが、今年の秋冬にかけて大流行するのではないかと日本感染症学会が予測している。インフルエンザの診断のために、医師は問診、聴診に加えて喉の奥を診るのだが、この見極めには熟練の技が必要だという。ところが、AIの力を借りて、新人医師でもベテラン並みに視診できるようになるという最新機器が登場したというのだ。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

今年の秋冬、日本でインフルエンザが
大流行する可能性

「泣きっ面にはち」の事態がやってきそうだ。

 新型コロナウイルスの第7波が急拡大中の7月27日、日本感染症学会は、しばらく影を潜めていたインフルエンザが今秋から冬にかけて流行する懸念があるとして、積極的なワクチン接種を呼びかける提言を公表した。

 日本感染症学会が冬季のインフルエンザ流行の予測をする上で参考にしているのは、南半球の状況だ。オーストラリアでは今年4月後半から報告数が増加し、例年を超えるレベルの患者数となって医療の逼迫(ひっぱく)が問題となっているという。

 新型コロナの流行が始まった2020年以降、日本ではインフルエンザの報告は激減しており、危惧されていたコロナとインフルエンザの同時流行もなかった。そのため提言は、「インフルエンザに対する集団免疫が低下していると考えられ、大きな流行が起こる可能性がある」と警鐘を鳴らす。

 しかもオーストラリアではほとんどの地域で、高齢者等のハイリスク群だけではなく、全住民のインフルエンザワクチン無料接種に踏み切った。「例年ならばリスクの低い若年層にも重症化の可能性があり、さらに、現在コロナの流行も続いているから」だ。

 このままだと日本も、第7波が収まらないまま秋を迎え、“流行も重症化もしやすい”インフルエンザとのダブルパンチに見舞われる可能性は否定できない。