インフルエンザ解析にとって重要な所見は
イクラのようなぶつぶつ

 解析に際して、nodocaのAIが着目する主要な所見は「インフルエンザ濾胞(ろほう)」と呼ばれる咽頭の後壁にできる「イクラ」に似た2㎜ほどの大きさの透明感のある丸いぶつぶつだ。

 言われてみれば、過去インフルエンザになった際、自分の喉にそんなぶつぶつが出ているのを見た記憶がある人も多いのではないだろうか。

 インフルエンザ濾胞は、茨城県の開業医・宮本昭彦氏がインフルエンザ感染症の診断に有用であることを日本の医学誌で報告し、知られるようになった。

・感染後2~3時間後には出現するといわれており、診断に非常に有用
・迅速検査キットでは感染後約12時間たたないと陽性にならないが、インフルエンザ濾胞はより早期にインフル感染を捉えることができる
・感度は95.46%、特異度98.42%と、非常に診断能力に優れている

 こうした特徴があるといわれており、検査に頼らなくともインフルエンザを診断できる熟練開業医の「これぞ裏技」として、高く評する医師ブログもある。

 また前出の田中氏は「nodocaのAIアルゴリズムは、延べ100医療機関・1万人以上の患者の協力の下でこうした所見を収集し、50万枚以上の咽頭画像を基に開発されました」と、エビデンスの高さを強調している。