森林浴で免疫力が
上がるのはなぜか

 世界で注目を浴びている最先端のライフハックをまとめた書籍『シリコンバレー式超ライフハック』によると、森林浴には次のような健康効果が期待されている。

「多くの常緑樹が「フィトンチッド」という芳香化合物を放出しており、それが体内のナチュラルキラー(NK)細胞を増加させる。それはウイルスや病原菌を殺す細胞で、免疫系の主要な戦力だ」(『シリコンバレー式超ライフハック』より)

 森林浴がもたらす健康効果に関する研究は、国内でもさかんに進められている。2004年に産官学連携で始まった特定非営利活動法人森林セラピーソサエティは、森林浴のリラックス効果に着目し、生理・心理・物理実験を行う団体だ。森林総合研究所や大学と連携し、森が持つ癒しの効果を科学的に解明することを目指している。

 同団体のHPによると、都市部と森林部の比較のために行った実験結果から、森林部では唾液に含まれるストレスホルモンのコルチゾール濃度が低くなること、NK細胞が活性化することなどがわかった。

森林浴と運動の組み合わせの
メリット・デメリット

 森林浴には健康効果が期待されるが、運動と組み合わせることで肥満の予防・解消にもつながるという。運動をすると血流が良くなり、体温が上がる。すると血液中に存在する免疫細胞が活動しやすくなり、体の中に侵入してきた細菌やウイルスから体を守ってくれるのだ。

 さらに、屋外で太陽光に当たると睡眠の質が上がると考えられている。寝つきが悪い、眠りが浅い、生活リズムが昼夜逆転になりやすいという人は、概日リズム症候群という体内時計のズレが発生している可能性がある。体内時計のズレをリセットして正常な状態に戻すためには日光を浴びることが推奨されているため、日中の森林浴はまさにお勧めだ。