「人前で話すのが苦手」「プレゼンで緊張してしまう」「雑談も苦手」
そんなアナタが参考にしたいのが、TBSの井上貴博アナウンサーの著書
『伝わるチカラ』(ダイヤモンド社)だ。アナウンサー歴15年で試行錯誤しながら実践してきた52のことを初公開。「地味で華がない」ことを自認する井上アナが、情報・報道番組の最前線で培ってきた「伝わらない」が「伝わる」に変わるテクニックが満載。人前で話すコツ、会話が盛り上がるテクなど、仕事のプレゼンからプライベートの雑談まで即役立つノウハウ、さらに失敗や葛藤についても赤裸々に語る。
※本稿は、
『伝わるチカラ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

おもしろい話をしようとしてドツボにハマる人が、実はやってみるべき1つの話し方

笑いにこだわりすぎない

最近、コミュニケーションに笑いを求める人が増えているように感じます。テレビのバラエティ番組や芸人さんのYouTubeなどの影響でしょう。

テレビでは、毎日のように芸人さんたちが、面白い話をしています。笑いの効果は絶大であり、偉大でもあります。笑いは、みんなの気持ちを明るく愉快にさせてくれます。

しかし、芸人さんの影響が強すぎるのか、本来、お笑いとは関係のない私たち普通の人まで、笑いのプレッシャーを抱えているように見えます。

笑いで自分を苦しめてはいけない

「オチがない話をするのはNG」「ボケたらツッコまないとダメ」「面白いことを言えないのは罪」。そんな意識にとらわれる人さえ増えています。

でも、誰もが面白いことを言えるわけではありません。私自身、もともと人を笑わせるタイプではないですし、笑いで芸人さんと渡り合えるなんて毛頭思っていません。

多くの人は、私と同じように面白いことをポンポン言えるわけでもなく、どちらかというと引っ込み思案な性格の人も多いはず。にもかかわらず、笑いを求めようとしすぎると、自分を苦しめることにもなりかねません。

一生懸命さのほうが人の心をつかみやすい

人を笑わせる以外にも、泣かせる、感心させる、怒らせる、共感させるなど、コミュニケーションを構成する要素はたくさんあります。だったら、ほかのベクトルから伝わる方法を追求すればよいのです。

例えば、プレゼンだったら、とにかく足を使ってデータを集めたエピソードを語って感心してもらうとか、辛かった経験をもとに世の中を変えようとしている姿を見せるとか、やり方は多種多様です。

一生懸命努力して話す姿勢さえあれば、たとえ拙ない話し方だとしても、聞き手も一生懸命聞こうとしてくれるはずです。要するに、笑いをとろうとしなくても、一生懸命頑張る姿勢が聞き手の心を揺さぶり、コミュニケーションは立派に成立するのです。くれぐれも笑いにこだわりすぎないでください。

※本稿は、『伝わるチカラ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。ぜひチェックしてみてください!