背中と肩を長時間丸めながら過ごしていると、背骨へのストレスが必要以上にかかってしまい体幹(コア)・胸・背中の筋肉を含め可動域が弱くなってしまう可能性があります。さらには胸郭が狭まり、その影響で内臓も圧迫されることも予想できるはず。これによって肺や気管支などの呼吸器・心臓・肝臓・胃などのみぞおち付近の臓器はもちろん、膀胱・子宮などの下腹部付近においても負担がかかってしまうことでしょう。内臓付近に違和感や痛みなどを感じて医師の診断を仰いだとき、その原因の候補として「猫背」かどうかを踏まえた上で診察を行う医師を少なくありません。なので、「猫背」を克服することは、より健康的な生活への第一歩とも言えるのです。

 もちろん私たちはすでに、スマホやパソコンを使って1日に何時間も前かがみの姿勢を取ってしまうのが日常化しています。サイクリングを趣味としている人なら、オフの日にもストレスを与えているということになります。なので、日々のルーティンとして「ストレッチ」を行うことで、「猫背」から生じるストレスを軽減するよう心掛けるようにしましょう。

 それだけではありません。ここでご紹介するストレッチとともに、特に「デスクワークをするときの座り方」と「スマホを操作するときの姿勢」、そして「寝るときの体勢」に関しては背筋を伸ばすよう実践することも大切。このように両面で実践してこそ、高い効果が期待できるでしょう。

プロトレーナー監修の体幹エクササイズ6種目

 体幹(コア)と背筋を鍛えることができる簡単なエクササイズをやることで、悪い姿勢になること自体を防ぐ効果が期待できるのです。

 ニューヨークを拠点にするのフィットネスジムの設立者で、ストレングス & コンディショニングスペシャリスト(C.S.C.S.)の認定を受けているトレーナーのノーム・タミール氏が、考案した6つの動きを取り入れたトレーニングメニューを紹介してくれました。

【1種目】フォアアーム(前腕)プランク|
効果的なインナーマッスルの鍛え方

【1種目】フォアアーム(前腕)プランク

やり方
 四つん這(ば)いの状態からスタートして、肘(ひじ)が肩の真下にくるように、左右の前腕を手のひらを下に向けて地面につきます。

 体幹コアを使って両足を伸ばし、プランクの姿勢になります。頭からつま先まで身体が一直線になるよう、腰と肩のラインを合わせるようにしてください。

時間は? …この姿勢を30秒間維持します。

なぜ効果があるのか?
「これはアンチエクステンション(抗重力伸展活動)のエクササイズなので体幹を強くし、腰を安定させてくれます」と、タミール氏は解説します。

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