2023年卒の学生の就活は終盤に入った。すでに翌年の24年卒の夏のインターンシップが開催され、参加している就活生もいる。コロナ第7波が始まった就活戦線は、これからどこへ向かうのか。人気企業の採用から育成までを支援するダイヤモンド・ヒューマンリソースの採用コンサルタント・福重敦士氏が、面接におけるオンラインと対面のハイブリッド化、インターンにおける制度変更をはじめ、就活の最新動向について解説する。
面接はリモートから対面へ
ギャップに戸惑う学生続出?
23年卒の就活を振り返ると、その前の22年卒がフルでオンライン就活だったのに対し、対面での就活が復活してきたのが、大きな違いでした。たとえば、最終面接だけは対面で行う企業が増えました。そこで起きたことは、オンラインと対面でのギャップが大きかったということです。
オンラインの場合は面接であっても、学生がカンニングペーパーを画面の横に貼り付けるなどすれば、面接官に違和感を与えることなく、話すべきことなどをチェックしながら、自分を主張することができます。しかし、対面ではそうは行きません。生身の人間を前にして、相手の反応に即応することに慣れていなければ、面接を切り抜けるのは大変難しくなります。オンラインではひどく饒舌なのに、対面になると無口になってしまうということも、今年の面接ではよくある出来事だったようです。
また、就活の成否には関係ないのですが、ずっとオンラインで会っている人は「サイズ感」が分からないということがあります。座った状態を画面で見ていると、その人が大柄か小柄か分からないので、実際に会ってみて「随分大きいな」「意外に小柄な人だったんだな」というギャップがよく起こります。
ここまでならいいのですが、オンライン会議のアプリなどで、顔に修正を施していることがあり、実際に会ってみるとあまりに印象が違うので面接官を戸惑わせてしまう、ということもあるそうです。そうなると、面接官は話の内容に集中できなくなってしまうことになりかねず、気をつけなければなりません。
ECサイトで洋服を買うことが多くなった現在、デザインや色がいくらおしゃれでも、届いてみると生地が「てろてろ」で、実際はとても安っぽく見えて失敗だったということは、誰でも経験しているのではないでしょうか。面接でもそれと同じことが起こり得ます。