このうち、職場で受け入れて就業体験を5日以上できる【タイプ3】、超長期で行われ専門性の高い【タイプ4】が公的にインターンシップとして認められ、インターンシップ募集時に「産学協議会基準準拠マーク」を獲得できることになったのです。翻って、現行のインターンシップと称されているもので【タイプ3】【タイプ4】のレベルを満たすものは極めて少なく、従来インターンの多くを占めていた企業説明会のようなものは、来年からインターンシップとはみなされなくなります。
 
 こうなると、【タイプ3】【タイプ4】は超優秀なごく少数の一部の学生だけを対象としたものになり、それだけに企業にとってインターンシップを通じての採用はものすごく手間がかかることになります。経産省の求めるようなプログラムを整備するだけでなく、加えてフィードバックの質を担保しなければならないからです。

企業が見直しを迫られる
インターンシップの本来の意味

 インターンシップの質はフィードバックの質に比例すると考えられます。そして、就業体験中の状況を適正に評価し、評価内容を学生が取得できることがフィードバックの質ということができます。引く手あまたの学生はフィードバックの質で企業を判断することになり、企業にとってはいかによいフィードバックを返せるかが、学生を口説くポイントになります。

 だからといって現行のインターンシップがなくなるわけではなく、公式にはインターンシップと称することができなくても、間口の広い【タイプ1】のオープン・カンパニーは減らず、早期の説明会として機能することが予想されます。

 前回もお話したように、インターンシップは原則として就業体験できるかが重要であり、企業と学生とのミスマッチをなくすために行われるものです。学生にとっては参加したからその会社に受かるというものではないし、逆に言えば企業はインターンシップという名前の「餌」で学生を集められたからといって、採用できるということではありません。今回のルール改正を機に、企業もインターンシップの本来の在り方を考え直す時期を迎えていると思います。

(ダイヤモンド・ヒューマンリソース HD首都圏営業局 局長 福重敦士、構成/ライター 奥田由意)