「ガクチカ」ゼロでも
面接を乗り切れるのか
そして、来年24年卒の就活では、最初の面接から対面で行う企業が増える可能性があり、これまで対面でのコミュニケーションに慣れていない学生は、少し戸惑うかもしれません。というのも、24年卒はコロナ一期生、つまり大学入学年がコロナ禍の最初の年となり、オンラインでしか大学の講義を受けられなかった学年です。対面が解禁になると、23年卒が最終面接から急に対面になったのと同じギャップを経験するでしょう。もちろん、社会人になればよほど極端な場合を除き、リモートワークが可能な職場であっても対面の機会はあるので、徐々に慣れていくしかありません。
24年卒はコロナ禍による制約で、いわゆる学生生活で最も力を入れたこと、「ガクチカ」について面接でアピールしにくいこともありますが、それはみな同じ条件です。彼らは親世代が経験したような大学生活を送っていません。研究、サークル、ゼミ、クラブ活動、アルバイト……人との物理的な接触の中での経験が極端に少ないのです。いいか悪いかではなく、そういう世代なのです。
ただ、企業関係者の中では、24年卒は総じて学業に真面目に取り組み、優秀な人が多いと耳にします。また、オンライン会議アプリの使いこなし方、洗練された技術は社会人よりも長けているかもしれません。ゼミやサークル、アルバイト、ボランティアなどによる華々しいガクチカがなくても、自分がコツコツやってきた勉強の中身や、それによって身に付けた知見・スキルなどを存分にアピールできれば、就活を乗り切ることは難しくないはずです。
企業の正式な採用ルートに?
25年卒の就活から変わるインターンシップ
さて、来年度の大きな変化としてもうひとつお伝えしたいのが、企業のインターンシップは今年が現状ルールで行う最後となり、次年度から制度が変わるということです。つまり、25年卒の夏頃から始まるインターンから新ルールに移行します。
2022年6月13日、経済産業省・文部科学省及び厚生労働省は、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」を改正しました。これまでインターンシップは「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」と定義され、企業がそこで取得した学生情報を広報活動や採用選考活動に使用してはならないと決められていました。しかし産業界からの要請で、一定の基準に則ったインターンシップに限り、企業はそこで得られた学生情報を採用活動開始後に活用してもいいことになったのです。これにより、事実上、インターンシップが採用活動に直結することになります。