口臭を悪化させないために
行うべきこととは

 そもそも自身の口臭が強いかどうかは、どうチェックすればよいのか。

「口臭測定器を使った計測は原因まで特定できるのでおすすめですが、口臭外来を設置している一部の歯科医院でしか受けられないのが難点です。自宅でなら、手の甲をなめて唾液を付着させてそのニオイをかいで確認する、歯間ブラシやデンタルフロスのニオイをかいで確認するといった方法があります」

 加えて、以下のチェックリストに1つでも当てはまる項目がある人は、速やかに歯科検診を受けることが推奨される。

・1年以上、歯科医院に行っていない
・日々の歯磨きの際、歯間ブラシやデンタルフロスで食べかすを取っていない
・頻繁にアルコールを飲む、たばこを吸う
・1日1回しか歯を磨かない
・歯磨きの際、時々歯茎から出血する
・3カ月以上、歯ブラシを交換していない
・口内炎ができやすい
・20年以上前に治療した銀歯などのメンテナンスをしていない
・不織布マスクを使い回している

 1つでも該当すれば強い口臭や歯周病の可能性がきわめて高いそうだ。その場合は歯科医院に通って治療をするのは当然として、今以上に悪化させないための、そしてまだトラブルを抱えていない人のための、“予防法”はあるのだろうか。

「マスクによる口臭の最たる原因は、唾液量の減少です。そのため、唾液を『減らさない』『増やす』の2点がポイント。減らさないためには、口を閉じ鼻での呼吸を心がけましょう。増やすためには、よくかんで分泌を促すことが重要です。回数も大事ですが、なるべく歯応えのある食べ物を選んでください。もちろん、チェックリストにあるNG行動をやめるのはマストです」

 そのほか、食後30分以内に歯磨きをする、食後にキシリトール100%のタブレットを摂取するなどの予防法もあるが、「口を閉じて鼻呼吸」と「よくかむ」という方法なら、すぐにでも実践できるはずだ。

 口臭は自分では気づきにくいもの。「自分の口臭はキツい」という前提で危機感を持ってケアに取り組めば、周囲の人間を不快にさせることなく仕事に打ち込めるのではないだろうか。