いつの時代も、変革をもたらすのは異端児だ。少子高齢化と経済成長の鈍化に直面する日本では、座して待っていても資金需要は発生しない。持続的に成長し続けるため、地域金融機関が手を携えるべき異端児の取り組みについて紹介する。(共同通信編集委員 橋本卓典)
金融界の異端児が
コロナ禍真っただ中で始めたビジネスとは
いつの時代も、変革をもたらすのは異端児だ。その異端児の一人が、地域金融機関と連携し、中小企業のさまざまな課題を解決する事業に取り組むRCG(東京都)の天間幸生社長である。
創業は、新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した2020年4月。一般的には、起業するには最悪のタイミングだといっていい。しかし天間氏は、コロナ禍で人の自由な移動が不可能になったことを逆手に取った中小企業の支援事業を始めた。すなわち、オンラインでの海外商談や、地域金融機関のネットワークを活用した商品のカタログ販売の展開だ。
オンライン商談に、カタログ販売。それだけを聞くとありきたりに思えるが、RCGのサービスはユニークだ。次ページでは、天間氏が発案した“異端のサービス”の中身や、そのサービスの中小企業や地域における貢献性などについて紹介する。