ビットコイン写真はイメージです Photo:PIXTA

民間の仮想通貨市場が総崩れだ。2021年11月末から22年6月末までの間、ビットコインの対ドルレートは約65%も下落した。相対的に価値が安定していると考えられたステーブルコインの価値も5月以降、下落している。仮想通貨バブルを支えた二大要因であり、ビル・ゲイツ氏も指摘していた「カネ余り」と「根拠なき楽観」は解消に向かう。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)

仮想通貨の価格(価値)が下落
米FRBの「インフレ退治」が逆風に

「ビットコイン」など仮想通貨の価格(価値)が、下落している。これまで価値が安定していた「ステーブルコイン」の価格も、ここへ来てかなり不安定だ。

 最大の要因は、ビットコインなどには価値を一定に維持するための仕組みがないことがある。加えて、米連邦準備制度理事会(FRB)など主要中央銀行がインフレ退治を急いでおり、今後、市中の流動性は低下することが想定される。また、景気減速懸念が高まり、価格変動リスクの高い金融商品を売る投資家は増えている。いずれも仮想通貨には大きな逆風になる。

 リスク回避に動く投資家が急増し、売るから下がる、下がるから売るという仮想通貨市場の展開は鮮明だ。投資(投機)熱が急騰した仮想通貨のバブルがはじけ始めた。一時期の仮想通貨の価値急騰は人々の投機熱に支えられた。ビル・ゲイツ氏は「もっと高値で買ってもらえるという思い込みがビットコインなどの価格急騰をもたらした」と警鐘を鳴らしている。

 今後、仮想通貨は一段と試練の時を迎えることも懸念される。世界的な金融の引き締めに加えて、各国の中央銀行が、「中央銀行デジタル通貨=CBDC(Central Bank Digital Currency)」の研究開発を急いでいる。それは、決済コストの低減など経済運営の効率性向上に資す。ビットコインの利用ニーズは減少し、人気は剥落するだろう。多くの民間仮想通貨の価値はさらに下落すると予想される。