【4】坂道を探しましょう|
ウォーキングでダイエット効果を高める方法

 認定ストレングス & コンディショニングスペシャリスト(C.S.C.S.)であり、パーソナルトレーナーのタイラー・スプラウ氏によると、傾斜をつけて歩くと心拍数が上がり、大臀筋、大腿四頭筋やふくらはぎの活性化に役立つそうです。

「傾斜によっては、関節に負担をかけずにランニングと同様の効果が得られる」と、スプラウ氏はNBC Newsで説明しています。

「傾斜をつけることで、心血管系への負荷は高めることが狙えます。そしてそれと同時に、膝(ひざ)へのストレスを抑えながら、通常のジョギングやランニングと同様の効果を得ることができる優れた方法です。通常と同様の時間をこなす場合には、いつも以上の努力は必要となります。ですが、より多くのカロリーを消費させることも可能です。ですので、体重と心肺持久力にもよりますが、より多くの脂肪を燃焼させることができるというわけです」と話しています。

【5】時速8kmで早歩きウォーキングは可能

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 まずは、ランナー(ランニングをする人)のほうが優れているというコンプレックスを感じないことです。

 歩いても走っても、エネルギー消費量がほぼ同じになるのは時速約8kmと言われています。時速8kmより遅い場合は歩くより走ったほうがエネルギー消費量は多くなり、時速8kmより速い場合は走るより歩いたほうがエネルギー消費量は多くなるとも言わています。

 スタンテン氏によれば、「時速8kmでの歩行は、トレーニングを積めば可能です」と言います。ですが、これは少々難しいかもしれません。一般的な歩行速度は、時速4~5km程度です。そして、歩いている状態から自然と走り始める速度は、時速7km台とされています。

 つまり、エネルギー消費量がランニングに近づきつつ、自然と走り出さないギリギリの速さは時速7km程度と言えるはずです。なので、まずは時速7km(1分で50mほどの距離に到達できるスピード)を目標に早歩きウォーキングを行えば、ランニングより故障のリスクを抑えながらランニングに近い運動効果を得られるのではないでしょうか。

ウォーキングの消費カロリーは?
計算方法

 

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『歩数計の選び方』の記事でも紹介していますが、ちなみに歩くことで消費できるカロリーは、次の公式で求めることができます。覚えておきましょう。

 消費カロリー(kcal) = METs × 運動時間(h) × 体重(kg) × 1.05

 計算式に登場するMETs(メッツ)とは、「Medical Evangelism Training & Strategies」の頭文字で、身体活動の強度を示しています。

 厚生労働省は、「安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したもの」と定義しています。エクササイズによって、METs値は決まっています。国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所が紹介している主なエクササイズのMETs値は、以下のとおりです。

 ゆっくりとしたウォーキング(75~85m / 分)=3.5METs
 やや早歩きのウォーキング(93m / 分)=4.3METs
 かなり早歩きのウォーキング(107m / 分)=5.0METs