東工大,東京医科歯科大学Photo:PIXTA
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載で、統合の合意発表前の記事になります。

「似合いの合併、いや統合だ」という声も多い。東京医科歯科大学と東京工業大学の統合話だ。両大学が「統合に向けて協議を開始する」と発表したのが8月9日。それから2カ月になるが、反対の声はほとんど聞こえてこない。

 昨今は18歳人口の減少が顕著になったことに加え、国立大学の運営費交付金が毎年減少されていることから文部科学省による“合併・統合のススメ”に沿って、このところ大学の統合話が盛んだ。北海道の小樽商科大学と帯広畜産大学、北見工業大学の国立3大学の合併、名古屋大学と岐阜大学の統合と続いた。両大学の統合の前には、浜松医科大学と静岡大学の統合計画が発表され、続いて慶應義塾大学と東京歯科大学の合併話が持ち上がり、マスコミが「慶応大に歯学部が加わればすべてが揃う総合大学になる」と絶賛された。

 そんな統合・合併話が続くなかで登場したのが医科歯科大と東工大の統合話だ。両大学とも、17年の安倍晋三政権時代にスタートした「ハーバード大学に負けない大学づくり」をめざして世界最高水準の教育研究が見込まれる大学に対して指定された「指定大学」である。大物大学の登場というわけなのだが、その行方は……。