インバウンド回復早まる見通し
23年末にコロナ前水準の72%に
政府は、新型コロナウイルス禍の「水際対策」として導入した1日当たりの入国者数上限(現在の上限は5万人)を10月11日から撤廃する方針だ。
個人旅行客の受け入れも解禁されるほか、短期滞在者の査証(ビザ)取得も免除される。
これらの水際対策緩和が実現すれば、急速な円安も押し上げ要因となってインバウンド(訪日外国人)需要の増加が見込まれる。
岸田文雄首相が10月末をめどに策定を指示した総合経済対策でも、インバウンドの年間消費額をコロナ禍以前を上回る5兆円超を目指すとして、観光産業への支援策が盛り込まれる見通しで、日本経済の再活性化への期待も大きい。
現時点でインバウンドの今後を見通すと、2023年6月ではコロナ禍前の44%、23年末には中国のゼロコロナ政策解除を受けて72%まで回復する。
だが、オンライン会議の広がりでビジネス出張が激減しており、24年末時点でコロナ禍前の97%の水準までは戻るが、インバウンドのコロナ前への水準への完全回復がいつになるかは見通せない状況だ。