子どもたちが生きる数十年後は、いったいどんな未来になっているのでしょうか。それを予想するのは難しいですが「劇的な変化が次々と起きる社会」であることは間違いないでしょう。そんな未来を生き抜くには、どんな力が必要なのでしょうか? そこでお薦めなのが、『世界標準の子育て』です。本書は4000人を超えるグローバル人材を輩出してきた船津徹氏が、世界中の子育ての事例や理論をもとに「未来の子育てのスタンダード」を解説しています。本連載では本書の内容から、これからの時代の子育てに必要な知識をお伝えしていきます。
6歳までの読み聞かせが「想像力」を育てる
子どもの「考える力」を高める最高のアイテムは、「本」です。
6歳までに本好きな子どもに育てることができれば、子どもの言語教育はほぼ成功といって良いでしょう。
子どもは読書を通して語彙(ごい)を増やし、知識を増やし、理解力を深め、思考力を高めていくことができます。
子どもを本好きに育てるための大切な取り組みが「絵本の読み聞かせ」です。
親が絵本を読んであげると、子どもは想像力を働かせます。ストーリーを頭の中に具現化して、映画を見ているようにイメージの世界を楽しめるようになるのです。
このイメージ化の訓練が足りないと、読解力が弱い子どもになってしまいます。
本嫌いの子に共通する理由は「おもしろくない」「頭に入らない」というものです。
なぜ本を楽しめないかというと、活字からイメージする力が足りないので、ストーリー理解や感情移入が深まらず、本の世界に入っていけないのです。
特に現代社会は、子どもの周囲に映像メディアが氾濫しています。想像力をつける前に映像メディアに慣れてしまうと、想像力を使ってものごとを考えるのが「めんどう」だと感じるようになるのです。
子どもから映像メディアを完全に排除することは難しいですから、映像に負けないように、親が読み聞かせをせっせと行なうことが大切です。
絵本の読み聞かせは0歳から始める
では、何歳から読み聞かせをすればいいでしょうか?
これは、0歳からスタートさせてください。
「まだ早い!」と思わずに、赤ちゃんに絵本を読んであげてください。最初に読み聞かせる絵本は、カラフルなイラストや言葉のリズムを楽しめるものです。
参考までに、いくつかおすすめをご紹介します。
・『がちゃがちゃどんどん』『ころころころ』元永定正著
・『ぽぽぽぽぽ』『きんぎょがにげた』『たべたのだあれ』五味太郎著
・『もこもこもこ』『んぐまーま』谷川俊太郎著
・『ノンタン』シリーズ キヨノサチコ著