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廉宗淳 韓国はなぜ電子政府世界一なのか

今までの教育方法は、ホモ・モビリアンスになりつつある我々の子どもたちにふさわしいものか――佐賀県で進めている電子黒板導入で考えたこと

廉 宗淳 [イーコーポレーションドットジェーピー株式会社代表取締役社長]
【第14回(最終回)】 2013年1月29日
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 先日、韓国のある小学校に授業参観に行った際の光景を、私は今でも鮮明に覚えています。授業の課題は「我が国の輸出産業について調べよ」でした。

 今までの授業のやり方であれば、先生はまず黒板に教えるべき内容を書き込み、子どもと一緒に教科書を読みながら重要な部分を説明していたことでしょう。これは暗記や記憶を中心とするいわゆる詰め込み方式です。

 しかし、その日の授業の進め方はまるっきり違っていました。まず、教師は電子黒板に、改めて作成したその日の授業内容を表示させました。そして、子どもたちに対して、各人が持っているパソコンを使い、電子教科書やネット検索を通じて、我が国の輸出産業に関して調査し、グループ別に調査内容をまとめ、発表するようにと指示したのです。すると、子どもたちはいっせいに自分なりの観点で調査を始めました。

 そして、時間になると子どもたちは、主な輸出品目として電子製品や自動車などアイテムをそれぞれ一つ決め、パワーポイントなどのソフトウェアを使い、自分たちが調査した内容を順番に発表し始めたのです。子どもたちは自ら考え、自ら資料を調べ、自らまとめて、自ら発表をしていました。

 このような授業を通じて子どもたちは、自己主導型の学習方法を身につけることができるというのです。もちろんこの方法が良いかどうかは、教育の専門家が判断することかもしれません。しかしながら、私は、従来の詰め込み方式とは全く異なる授業方法を通じて、自ら考える力を身につけることができるようになると感じました。

 今後、我々の子どもたちはますます、いかに情報を使いこなし、自分の血肉にしていくかが求められていくことになります。すでにそんな時代に突入しているのです。

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廉 宗淳
[イーコーポレーションドットジェーピー株式会社代表取締役社長]

1962年生まれ。大韓民国空軍除隊後、国立警察病院、ソウル市役所に 勤務。日本でのプログラマー経験を経て、韓国で株式会社ノーエル情報テック設立。2000年、日本でイーコーポレーションドットジェーピー設立。青森市の 情報政策調整監、佐賀県情報企画監、総務省の電子政府推進委員や政府情報システム改革検討会構成員を務めている。

廉宗淳 韓国はなぜ電子政府世界一なのか

お隣の韓国は、国連の電子政府ランキングでここ数年、1位が指定席。かたや、日本は順位を下げ続け2012年は18位。韓国の電子政府は何がすごいのか、日本が学ぶべきポイントはどこか。90年代前半に日本でITを学び、現在は、行政、医療、教育などの分野でITコンサルティング事業を展開する廉宗淳氏が、日本の公共サービス情報化の課題を指摘する。

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