今月中旬に登録ユーザー数が全世界で1億人を超えたことが話題になったLINEなど、コミュニケーションアプリの利用が拡大している。アンケートサイト「アイリサーチ」(運営:ネオマーケティング)の行った調査によれば、電子メールよりもコミュニケーションアプリの方が「早く返そう」と考えている人が多いことがわかったという。

 調査は「電子メールの日」と定められている1月23日(いい・ふみ=E・文)に合わせて実施。調査対象は、アイリサーチの登録モニターのうち、プライベートで電子メールとコミュニケーションアプリを利用している全国の15~59歳の男女500人。調査実施日は2012年12月19日~20日。

コミュニケーションアプリは「スピード感」
電子メールは「丁寧さ」を感じる

 国内利用数の多いコミュニケーションアプリとしては、2011年にリリースしたLINEのほか、昨年10月にヤフーが50%の出資を行ったカカオトーク(リリースは2010年)、昨年10月にリリースしたcommなどが挙げられる。そうしてコミュニケーションアプリが急速に普及するなか、「電子メールとコミュニケーションアプリ、気持ちが伝わるのはどちらだと思いますか」という問いに対して、「コミュニケーションアプリ」と答えた人は55.2%で、「電子メール」(44.8%)を上回った。

 コミュニケーションアプリを選んだ理由は、「リアルタイムに繋がっているように感じられるから」(44歳男性)、「会話のような感覚で通信できるのでその都度細かい修正をしながら会話が進む」(28歳女性)、「スタンプは『せつない』『リラックス』『スキップしたくなるほどうれしい』のような繊細な感情を表せると思う」(30歳女性)などがあった。

 電子メールを選んだ人の理由としては、「長く落ち着いて書けるから」(38歳女性)、「深い表現や行間に隠された意味を理解してもらうにはメールの方が良いと思うから」(56歳女性)などが挙げられている。コミュニケーションアプリを選んだ人も電子メールを選んだ人も、「コミュニケーションアプリは電子メールに比べてお手軽」と感じているのは同じのようだ。

「(電子メールは)紙じゃないけど手紙のような感じだから」(26歳男性)というコメントなどからわかるのは、「丁寧さ」や「温かみ」を感じるのは、手紙>電子メール>コミュニケーションアプリであり、「気軽さ」「スピード感」を感じるのはコミュニケーションアプリ>電子メール>手紙の順であること。電子メールが普及しつつあるときに「手紙派」が語っていたような理由を、現在は「電子メール派」が語っていることが面白い。