割り算の概念も具体的に考えると理解が進む

榎本博明『勉強できる子は○○がすごい』(日経プレミア)榎本博明『勉強できる子は○○がすごい』(日経プレミアシリーズ)

 小学校高学年や中学生で分数の割り算の理解が十分でない子も少なくないことの理由として、分数で割るということの意味がわからないということがある。そのまま通り過ぎてしまうと、大学生になってもわからない。

 たとえば、「1÷1/4=4」の意味がわからない。意味がわからないままに「1÷1/ 4=1×4/1=1×4=4」というように変換して答を出す者もいる。だが、分数で割るということを実感をもって理解するには、「1つのおまんじゅうを1/4の大きさのおまんじゅうで割ると4になる、つまり1つのおまんじゅうから1/4のおまんじゅうが4つ取れる」というように具体例で考えるといい。

 ここから言えるのは、子どもが抽象的概念について自分で学ぶ際にも、具体例を考えることで、心から納得する形で理解できるということである。