「経営の神様」稲盛和夫氏は日本型経営の美点を継承しつつ、欠点を改めることで高成長を実現した。そんな稲盛氏が夜な夜な「社内コンパ」を開催した真の狙いとは?(
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「団塊の世代」の生みの親
堺屋太一は、戦後日本を代表する経済評論家・作家だ。近未来を予測した小説で知られ、戦後ベビーブーム世代を描いたベストセラー、「団塊の世代」は時代を象徴する流行語となり、今では、誰もが当たり前のように使っている単語だ。
経済産業省の官僚時代に作家デビューしてベストセラーを連発し、歴史小説も手がけ「峠の群像」「秀吉」はNHKの大河ドラマにもなった。
古くは中曽根康弘元首相、小池百合子東京都知事、橋下徹元大阪府知事など多くの政治家と親交があり、小渕恵三内閣、森喜朗内閣で経済企画庁長官を務めるなど、行政の多くの政策立案にも関わっている。
そんな堺屋だが、京セラ、KDDI(当時、第二電電)を創業し、日本航空(JAL)を再建した稲盛和夫を経済誌(雑誌プレジデント、1997年8月)でこう評している。