日本銀行Photo:PIXTA

10月の日銀決定会合
「緩和維持」の可能性だが

 円安・物価上昇が続くなか、日本銀行が「緩和維持」政策をいつまで続けるのか、への関心が一段と高まっている。

 27、28日に開かれる政策決定会合では、2023年度などの物価見通しが上方修正されるだろうが、金融政策が大きく修正されることにはなりそうにない。

 円安を止めるための金融政策変更は、物価安定目標を軸に金融調整を行っている日銀がとりうる政策ではない。

 また、国内旅行需要やインバウンド需要の回復など、足元ではコロナ禍からの経済回復の動きが一時的に強まるとしても、世界的なインフレと金融引締めによる景気後退懸念を考えれば、景気面から利上げをする選択肢はなさそうだ。

 一方で、ロシアのウクライナ侵攻などによる輸入物価上昇もあって消費者物価は4月から6カ月連続で「2%物価目標」を達成し続けている。

 年末年始に向けてさらに物価上昇率が高まりそうな中、日銀が何も準備しないということはない。

「景気の下支え」と同時に「質的・量的金融緩和」の“出口”戦略は少しずつ進めるだろう。