日本のインフレは
スピードが遅く、裾野が狭い
多くの国でインフレが問題となっている。
しかし、インフレという言葉を便利に使いすぎると、相違点に目が行きにくくなる。
実際、日本のインフレを米国やユーロ圏と比べると、無視できない相違点が浮かび上がる。
第1の相違点はインフレのスピードであり、第2は価格が上昇している品目の範囲、つまりインフレの裾野だ。
日本のインフレは、米国で見られる前年比8~9%の高スピード、かつ家賃やサービス価格を含む広範囲のインフレと違い、スピードが低く、裾野も狭い。
政府は、電気・ガス補助金などの物価高対策を柱として総合経済対策を決める一方で、日本銀行はイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)による金利抑制政策を続けている。
これは、日本でみられる裾野の狭い「ミクロ型」のインフレに対しては、正しい政策対応といえる。