選別開始!倒産危険度ランキング2022#14Photo:mfto/gettyimages

倒産危険度が“危険水域”と判定された企業の中でも、危険度が急速に悪化している企業には要注意だ。経営に変調を来している恐れがあるからだ。特集『選別開始!倒産危険度ランキング2022』(全20回以上)の#14で取り上げるのは、危険度が1年前よりも悪化したワースト50社。3位に何と、フリマアプリで高成長企業のメルカリが入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

高成長企業メルカリが悪化度3位に
有利子負債膨張と時価総額目減りで

 倒産危険度が“危険水域”と判定された企業の中で、1年前から危険度が悪化した企業について、ワーストランキングをダイヤモンド編集部は作成した。その結果、フリマアプリで高成長企業のイメージが強いメルカリが、何と3位に入ったのだ。同社の経営に何が起きているのか。

 メルカリの2022年6月期の純損益は、75億円の赤字だった。前期は18年に上場してから初めて黒字(57億円)を確保したものの、再び赤字に転落した格好だ。

 最大の懸念は、成長に陰りが見えてきたことである。主力である国内メルカリ事業の流通総額は、前期比12%増の8816億円にとどまった。期初時点では20%以上の成長を目標としていたが、大きく未達である。

 新たな成長の柱の一つに位置付けていた米国メルカリ事業は、より深刻だ。

 流通総額の目標は、日本と同様に前期比20%以上の成長を期初に掲げたものの、実績は前期比2%減の11.4億ドルと、縮小に転じてしまったのだ。「米国にはメルカリと競合する企業が数多くある。日本と同じことをしていても高成長が続くわけがない」(証券アナリスト)。こういった悲観的な見方が、株式市場で増えてきた。

 なお、倒産危険度を示す「Zスコア」は短期的な資金繰り圧迫度や資産効率、利益の蓄積など後述する五つの指標(詳細は次ページ参照)の合計値により算出される。指標の一つに、時価総額÷有利子負債(共に決算期末ベースで計算)がある。

 メルカリの場合、国内外での事業拡大をにらみ、有利子負債は前期末(713億円)から22年6月末にかけて1323億円に増加した。

 一方、株価は21年6月期の初の黒字化達成と巣ごもり需要への期待で、同11月には7000円を超えた。しかし年明け以降は成長鈍化が懸念され、株価が一時2000円割れするほど急落した。倒産危険度の評価対象期間の時価総額は9307億円から3131億円にまで大きく目減りし、危険度の悪化はこの項目が大きく足を引っ張っている。

 危険水域にある企業の中でも、危険度が急速に悪化している場合は注意が必要になる。経営に変調を来している恐れがあるためだ。それでは、悪化度でワースト50にランクインした企業の顔触れを、次ページで見ていこう。